五反田に用事があり、妻と娘と一緒に出かけた。2時過ぎにその用事が終わったので近くでお昼でも食べようかということで、すぐ見つかったのがこの店だった。1Fは中華料理屋、2階がインド料理屋が入っている雑居ビル。位置は五反田駅の南西側、目黒川を渡り右手に見える旅館海喜館のうらての辺りだ。私は3種のカレーセットで、バターチキンとダル、野菜カレーを頼む。
味ですか? そりゃおいしいですよ。インドカレーですから。特筆すべき特徴は特にありませんが、カレーってどこで食べてもおいしい。それはカレーがすごいのか、カレーを作っている料理人(大体インド人)が凄いのかって話ですが、どうやら凄いのはインド人なんじゃないかなと、最近思い始めています。もちろんインド人からすればそんなの当たり前だよって話かもしれません。つまり、味を知っているということです。例えば、私たち日本人は味噌汁の味を知っています。赤味噌、白味噌、あわせ味噌。それからかつおだし、昆布だし、いりこだし、などなど。ベースとなる組み合わせは沢山ありますが、妙味というか、微細な味の違いというか、そういうものが身体に染み付いているわけです。だから、さて味噌汁をつくるぞとなった時に、自分の中にある味の引き出しから、いくつかの味噌汁の味を引っ張り出してきて、バランスを考えながら再現をすることが出来るのです。しかし、それがカレーとなるとそうは行きません。ボンカレーで育ってきた日本人にとって、スパイスの種類と味、香りの違いは殆どストックがありません。まとまった「ボンカレー」というスパイスの塊しか知らないので、なにをどう組み合わせたらその味が出来上がるのかの根本を理解していないのです。
というわけで、今日はカレーを作っているインド人の料理のポテンシャルは高いということにについて、あれこれ考えてみたのだった。