ウルフ・オブ・ウォールストリート

ジョーダン・ベルフォートの実話をもとにしたストーリー。

彼はストラットン・オークモントの創業者。この会社は1990年代に投資家を相手にハイリスクハイリーターンのペニー株を騙し売る株式仲介会社だった。

22歳の彼は金持ちになる夢を抱きでウォール街の投資銀行・LFロスチャイルドに入社する。半年かけて株式仲介人の資格を取り、晴れて仲介人の仕事ができると期待に胸を膨らませ出社した日に「ブラックマンデー」に襲われ、会社は倒産してしまう。

彼は新聞の求人広告で運良く株式仲介にの求人を見つける。ここから彼の成り上がり人生が初まっていく。

殆ど価値がないハイリスクなペニー株を、さも優良な掘り出し物のように売り捌くセールストークはキレキレだ。しかし、詐欺まがいというかもはや詐欺である。しかし売上成績は鰻登りで、収入も桁違いに増えていく。そして仲間を集めストラットン・オークモント創業する。ここから、さらに儲けっぷりはセスカレーとしていくのだ。

金、金、金。金の亡者。

さらに、起業した相方からドラッグの洗礼をうけ、ドラッグにものめり込んでいく。

金、ドラッグ、金、ドラッグ。

自分の住んでいる世界とはかけ離れている。こんな風に儲けたくはないし、ドラッグの快楽にも溺れたくはない。

金が集まるところには女も集まってくる。会社の売上達成らしきイベントでは、ストリッパーの集団を雇い、オフィスで酒、女の乱痴気騒ぎ。

金、女、ドラッグ、金、女、ドラッグ、金、女、ドラッグ。

ここまでくると気が狂っているほどだ。自分とは全く別の種類の人間たちの欲まみれの饗宴に目を背けたくなり、見ていて不快感さえ覚えた。

しかし、しかしだ、こんな欲まみれの世界とは無縁の自分ではあるが、本質的にそのような欲が自分にないのかと問われれば無いとは言えない。いやむしろ大ありなのだ。映画を見ている途中からそのことに気づき始めた。この映画の中の人たちは、私の中に上手く隠されている欲を虫眼鏡で拡大して見せてくれていたのだ。

そして、自分の中にある欲に気づく一方、そのような欲に惑わされないで、できればそのような欲を超越して、削ぎ落としていける人間に成長したいと考えさせられる内容だった。

また、彼らには彼らなりの自我的な正義を持っていて仕事に誇りを持っているようである。どこをみて、何と向き合いビジネスをするのか。自分に都合の良い理屈を持ってきて正義を振り翳し、やっていることを正当化するのは自我に騙されているだけなのだ。

自我に騙されずしっかりと自分を見ていくって大事なことだな。

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