半蔵門線神保町駅から徒歩3分。時刻は14:00をまわったいましたが、店の前には既に10名ほど並んでいました。これは時間がかかるかなと思いきや、回転が早くみるみる人の列が店の中に吸い込まれていきます。並んでいるうちに、チャキチャキした女性の店員さんが注文を取りに来ました。
「ご注文は?」
「カツカレーで」
「ご注文は?」
「カツカレーで」
「ご注文は?」
「カツカレーで」と、半分以上の客がカツカレーを注文しています。当然わたしもカツカレーです。店員さんは、手際よくポンポンと聞いて、また戻って行きました。そして、10分と待たずに入店できました。
メニュー
カツカレー 750円
キャベツ追加 50円
その他、各種フライ系の定食
店内はカウンター含め20名程が入る広さです。この時間は、厨房に4人、ホールに2名という体制のようです。私はカウンター席の奥の方、おじいいさんが座っている横に案内されました。私の左側(店の奥側)に座っているおじいさんは、お客さんかと思ったらどうやら違うようです。先ほどから、次々とスプーンに紙ナフキンを巻いているではないですか。洋食屋さんでたまに見るあれです。すると、常連らしきお客さんが、おじいさんへ話しかけています。
「元気だね。わっはっは! 何年生まれ」
「1929年」
1929年と言ったように聞こえました。えーと、今年が2019年だから……90才か。どうやら会話の内容からして、先代か先先代の店主のようです。そして、ホールを手際よくぶん回しているのが孫娘さんといった感じでしょうか。あれこれと会話から推測しているうちに、それほどカツカレーが出て来ました。かなり早いです。
早速、スプーンで味見をします。既成のカレールーから作った、いわゆる定食家のカレーではなく、しっかりとスパイスされています。その味は、洋食屋のカレーでもなく、かといってインド系のカレーでもありません。キッチン南海オリジナルと言った個性的な味が醸し出されています。強いて言えば洋食屋のカレーに近いのかもしれません。特徴的なのはその香りです。なんでしょうこれ? この香りの源が気になり、思考が勝手にそのスパイスを探し出そうと躍起になっています。ああ! もしかしたら杏仁豆腐の香り付けにも使われる八角じゃないでしょうか。あのすーっとしたような香りがかすかにする気がします。でもあまり自身が持てません。とにかく、この独特の香りは今まで食べて来たどのカレーとも違っています。おそらく目隠しをしていても、キッチン南海のカレーは区別がつくでしょう。
それからカツは、薄切りのカツがサクッと揚げられていて、カレールーととてもよくマッチしています。ついでに言うと、カウンターに置いてあるからしをつけて食べると、からしの香りがカレーと絶妙にブレンドされ、なおのこと旨さを引き立てることを発見しました。機会があれば、お試しください。
ボリュームは文句なしです。普通盛りでも結構な量がありますから、40才過ぎたサラーリーマンには十分でした。キッチン南海のカツカレーは、早い、うまい、安いの三拍子そろったカレーです。いわば定食屋カレーの王様といったところでしょうか。行列ができるのも納得です。
キッチン南海 店舗情報
【営業時間】
[月~土]
11:15~16:00
17:00~20:00
【定休日】
毎週日曜日 祝日
【住所】
東京都千代田区神田神保町1-5