浅草橋駅の改札を出て、
駅の階段を降りると
目の前に、移動式の
宝くじ売り場が二つありました。
公衆電話ボックスを一回り大きくして、
中に人間一人が、座って入れる程の
大きさです。
片方には、「幸運を招く、秀じいの窓口」
もう片方には、「陽気な、ひでちゃんの窓口」
手書きの似顔絵と文字が書かれた看板が、
窓口の上に、大きく掲げられています。
秀じいの方も、ひでちゃんの方も、
生気の抜けた表情で、退屈そうに、
箱の中から外を眺めています。
秀じいと、ひでちゃんは、
めおとなのでしょうか?
気になります。
運が寄ってきそうにない表情とは裏腹に、
看板には「2年連続で7億円」と
書かれています。
ガタンゴトン
ガタンゴトン
ガタンゴトン
ガタンゴトン
乾いた音を立てて、
総武線が通り過ぎて行きました。