京セラドームに近くのビルで打ち合わせがおわった。以前、この辺りにきた時は、スリランカカレーのロッダグループ(といってもチェーン店ではなく、なぜこんな名を……)でギャミラサを食べて、かなりテンション上がったことを思い出した。流石に、ロッダグループ意外にこの辺で旨いカレー屋はないだろう。そう考えていたが、探してみたら隣の大正駅近くに旨そうなカレー屋みつけた。ヤタラ・スパイスという。ドーム前駅からは、歩いて5分くらいだろうか。歩くことにした。
今日はやっているのか? 店が入っている2回を見上げてそう思った。黒い2階建ての木造の建物の外壁に取り付けられた鉄製の心もとない急な階段は、隠れ家へ上がるような雰囲気を漂わせている。茶色い引き戸はピタリと閉められて、中の様子はわからない。Yatara spice(ヤタラ スパイス)と書かれた、木製の小さな看板に小さなライトがともり、かろうじてお店がやっていることがわかった。このわかりにくさと入りにくさで、店をやっているということは、味に自身がないとできないことだ。そして、味のファンになっている常連客がいねければ、もちろん商いが成立しない。これは、かなり期待ができそうだ。
屋根裏部屋へ上がるような急な階段を上り、木製の引き戸を上げた。薄くらい店中は、カウンター6席ほどのバーそのものだった。カウンターはマゼンダやブラウン、グレーなどの四角い小さなタイル貼りで、個性的なセンスを感じる。店内にはアンビエントが静かにかかり、窓がないために今がランチだということを忘れてしまいそうだ。店内はカウンター6席で、カウンターの中には、30代前後のかっこいいお兄さんが1人。マスターだろうか?
【メニュー】
ポークマサラ 900円
鳥せせりマサラ 1,100円
上記2種盛りが 1,300円
そして、各プレートには、豆カリー、アチャール、副菜3品、パパドがつく。
で、当然2種盛りを注文した。
カレーは、金属のワンプレートにカレー3種とライス、副菜などが盛られてやってきた。薄黄色の豆カレー、赤褐色の鶏せせりマサラ、褐色のポークマサラと見た目から旨そうだ。まろやかな豆カレーと、スパイシーな鶏とポーク。旨いカレーほど味を表現しづらい。これは常々感じていることだ。ヤタラ・スパイスのカレーもまさにそんなカレーだ。それぞの微妙なスパイスワークの違いを、感じて言語化しようをすればするほど、味の深淵にはまり込み出てこれなくなってします。食レポとしいては最低だが「旨い!」それしか言えない。
なんともディープなカレーだ。窓のない店内がさらに拍車をかけている。スパイスの深淵にはまり込み至福のカレーを堪能したくなったら、ヤタラスパイスを目指すべきである。