渡邊カリーの one for all, all for one

肥後橋での今日最後の打合せが終わった。時刻は18:05。今日2回目のカレータイムがやってきた。ランチは東京駅のエリック・サウスで。からの大阪でのカレーディナー。はどこにしようかと迷っていた。肥後橋駅から西梅田駅までもどり、この辺で店を探す。運よく、すぐ近くの北新地で渡邊カリーを発見。なんだこれ! スパイスカレーなのに”とんかつ”がのっている! カツカレーといえば、いわゆる日本風のカレーや欧風カレーとのセットが定番だ。ありそうでなかったスパイスカレーとの組み合わせ。こんなコンビは見たことがない。興味と食欲をそそられ、渡邊カリーのある北新地へ向うことにした。

飲食店が入るビルの3階でエレベーターおりると、白地に黒い文字で「渡邊咖喱」と書かれている看板に目が留まった。漢字で書くと咖喱と珈琲は似ている。と思うのは私だけだろうか?

喫茶店のような木製の格子にガラスがはまったドアをあけた。店内には小気味よいジャスが流れる。こげ茶色の木製のイスとテーブルは洋食屋さんや喫茶店でよく見かけるタイプだ。メニューをチェックした。

【メニュー】

チキンカレー 850円

羊のドライキーマー 850円

ポパイキーマ 850円

黒咖喱 1,000円

元祖渡邊カリー 1,150円

スパイスとんかつカリー 1,150円

プレミアムとんかつカリー 1,650円

どうやら看板メニューは、スパイスとんかつカリーらしいが、元祖渡邊カリーも捨てがたい。ただし、元祖渡邊カリーにはとんかつは入っていない。そもそもここへきた理由を考えるととんかつを選ぶべきだろう。後悔しないためにも。ああだ、こうだと考えた末、スパイスとんかつカリー注文することにした。

カレーは丸くて白い皿に盛られてやってきた。サラッサラのスープのようなカレーにあわせて、やや深さのある皿をつかっている。手前にカレー、奥にライス。ライスの上には厚切りのとんかつが威風堂々と横たわり、他に副菜が盛り付けられている。

好奇心いっぱいで、初めのひとすくいを口へ運ぶ。うん、まさにスパイスカレーだ。スパイスのブレンドはバランスよく、あえてカレーの個性を控え主役をとんかつに譲っているようにも感じる。しかし、そうはいってもしっかりと作られたカレーは、それだけでも十分満足がいく味だ。

次にスプーンをフォークへ持ち替え、とんかつを攻めにいく。スパイスカレーだけでは、この道具の持ち替えは起こらない。この”すくう”行為から”刺す”行為へのシフトは、草食系から肉食系へと心境が変化し、アグレッシブな気分になっくるから不思議だ。そして一切れのカツをカレーに浸し、口へ運んだ。あぁ。おもわず声が漏れそうになる。本物のカツカレーだ。厚みのある肉片の噛みごたえとスパイスの香りがたまらない。とんかつはカレーのためにあり、カレーはとんかつのためにある。one for all, all for one の世界観が一皿の中に凝縮されていた。

とんかつとカレーの究極の世界観を多能したければ、渡邊カリーへいくべし。

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