「明日、午後から箱根行かない?」
「いいよ!」
最近、仕事ばかりで出かけることが少なくなっていたので、思い切って平日の休みを取った。そして妻を誘い箱根の温泉へ一泊湯けむりの旅へ。
12:00発新宿からのロマンスカーは空いていた。お盆だけど外出する人は少ないのだろうか? 他の乗客がお弁当を食べているのを横目に美味そうだなと思いつつ、箱根湯本でランチを食べるため今は我慢の時。昨年、箱根旅行した際に持ち帰ってきた無料のガイド冊子を見ながらどこでランチするか目星をつけた。「ここにしよう!」と妻ものってきたのは牛鍋右近。2人とも川沿いの川床座敷で牛鍋をつつくその広告写真に魅せられたのだった。
箱根湯本駅から右近まではタクシーで5分ほどだった。ランチ終了間際だったけどギリギリ間に合った。通されたのは室内の大きな窓側の席だった。流石に川床席は予約客で埋まっていた。ただ8月にもかかわらず気温は20度前後と肌寒く本州全域が妙な雨模様だったので、室内でもよかった。コース料理を頼むには到着時間が遅すぎたため、牛鍋御膳というランチメニュー(5000円ほど)にした。
グツグツという音とともに運ばれてきた牛鍋午前は意外と大きかった。鉄鍋で煮込まれた牛を地元で採れた山芋、卵でいただく。甘辛のたれに浸った熱々の牛を、ミックスした卵芋にくぐらせて口へ運ぶ。もう、とやかくいう必要はない。ロケーション負けしない確かな味でございました。
それから、コーヒーとスイーツをもとめて徒歩で川沿いの道を下り湯本駅へもどった。実はスイーツも密かに狙いを定めていた。モンブランの浪漫亭だ。注文を受けてからつくるというモンブラン。食べてみたい。緊急事態宣言下にもかかわらず、箱根湯本駅周辺は、そこそこの人出で賑わっていた。浪漫亭にも先客が並んでいて、入るのに15分ほど待った。
やってきたモンブランにやさしくフォークを突き刺すと中にたっぶり込められた生クリームがその肌を表した。この生クリームの多さはかなり私好み。外側のモンブランも甘さで味をごまかすことなく、控えめな甘さでこれまた私好みの味だった。食欲を満たしひと段落ついた私たちは、そのまま徒歩で今夜の宿泊先へ向かい、思う存分温泉を楽しんだ。