「お腹空いたからカレー食べようか」と妻に告げると快くOKしてくれた。今日は、買い物があって2人で二子玉川へきている。スマホで近くのカレー店を検索すると、いくつか候補が出てきた。実は、はじめ違うカレー店へ行こうとしたのだけど、満席で入れなかったため、ライズ7Fにあるモティになった。休日のランチタイムだと、二子玉川駅周辺の飲食店は大体混んでいる。需要と供給のバランスがかなり崩れていて、ここは需要に対して供給が追いついていないエリアだ。そんな場所にありながら、モティは奇跡的に空いてた。それがたまたまなのか、いつものことなのかは、わからない。このような流れだったので、あまりしていなかったのだが、期待に反して吉とでた。
妻はプラウン・チリー、私はナブラタン・カレーを注文した。プラウン・チリーはカレーではなく、エビチリを連想させるような、いやほぼエビチリといってもいい、インドの炒め料理だ。甘さの中にピリリと辛味があり、万人受けするおいしさがある。一方私のBナブラタン・カレーは、カレーという常識を大きく覆して、殆ど香辛料の味がしないのだ。強いて言えばターメリックのかすかな香りが鼻の奥をかすめるだけで、一般的なカレーの味とは程遠い仕上がりになっていた。これはいったいカレーなのだろうか? 日本人が想定する一般的な意味ではNOである。しかし、カレーの定義は何ですかと問われれば、「いやそれは、ちょっと……」と言葉を濁してしまう私がいて、そもそもカレーの祖であるインド人が、カレーとしてニューに載せているのならカレーに違いないのだ。
逆に、鮮魚の寿司しか食べたことがないインドの人が、稲荷ずしを食べ、これは寿司なのだろうかと疑問に思ったとする。でも、我々からすればそれも寿司なのですと応える。そのようなものに近いのかもしれない。
このカレーは、9種の野菜とカシューナッツ、レーズン、生クリームで味付けされていて、女性に好まれそうなコンビネーションと味に仕上がっている。一般的なカレーをイメージして食べると肩透かしをくらったような感覚を覚えるが、料理としての完成度は高くこれはこれでおいしかった。ご飯時の飲食店混雑が著しい二子玉川駅界隈において、おいしくて並ばなくてすむ穴場的なレストランといえる。これは後で知ったことだが、実は日本では1978という古くから営業しているインド料理の老舗のようだ。二子玉川へはよくいくので、全メニュー制覇にトライしてみたい。