仕事のメール対応をしていたら、13:30を過ぎてしまった。あかつ亭のランチでも食べようかと思い立っていってみたら、売り切れの張り紙が。ショック……。しまった。もっと早く来れたのにと後悔しつつ、逆に期待感が高まった。夜の部に挑むことを心に誓う。
今度は18:00の開店10分前から並ぶ。既に女性が2人並んでいたので、3人目の入店だった。今夜のメニューは冷製カレーの1品のみと潔い。ただ、冷製カレーなるものを食べるのが初めてなの私は気が進まない。熱くないカレーなんて美味しくなさそうなのだ。なんで今日に限って冷たいカレーなんだ? とタイミングの悪さを若干嘆いたが、その杞憂はいい意味で裏切られることとなった。
開店と同時に店へ流れ込んだ私は、「冷静カレー」とトッピングの卵のピクルスを注文した。金属のプレートで出てきたカレーは、奥にこんもりライスと副菜が盛られ、手前にルーという布陣だった。鯖の和風出汁が効いたカレーは、臭みのない鯖の香りが日本人の心をゆるます。和の香りが通り過ぎた後、ピリピリしたスパイスの刺激が舌にやってきた。ナスの副菜は程よい酸味で、味に変化を与えてくれる。トッピングの、卵のピクルスも甘酸っぱくて、初めての味だった。それから豆腐はチーズのようにまろやかさで、鯖とともにカレーを盛り立てる。全体的に料理が丁寧でスパイス使いが上手い。名古屋で食べたカレーの中では、抜群にうまい。
そもそも言葉で表現が難しいものを、言葉で表現してしまうと、必用のない先入観を与えてしまうのであまり使いたくないのだが、強いて言えば冷やし中華を連想させるような酸味が絶妙だ。スパイスカレーにおいて、酸味と苦味は、そのうまさを左右する重要な要素と言っていい。酸味がと香味のバランスがよく、料理人のセンスを感じる極うまカレーだった。