ガネーシュm 北浜店は開いていた。

「あー、ランチを食う時間がなかった。せっかくの大阪出張なのに、1食分カレーを食いそこなった」と、若干凹み気味かつ機嫌が悪い私。

「あれ? こんな時間でもあいてる!」

建物の2階の窓からオレンジ色の光が、通りにこぼれていた。まさかガネーシュmのカレーが食えることになるとは。

今日最後の打合せが終わったのが18:00過ぎだった。大阪のおいしいカレー屋は、大体ランチしかやっていない。「11:30~売り切れまで」みたいなところが多い。だから、周辺の旨いカレー屋はこの時間では開いていない。ガネーシュmもそうだと思い込んでいて、プランBとしてスリランカ料理の店へ向かっている途中だった。

すると、シャッターのしまっている堀江生薬の2階に、灯りがともっているのが見えたのだ。もしかして開いているのか? 半信半疑なままシャッター脇の階段を2階へ上がる。ドアの外から店内を覗くと女性客が2名座っていた。どうやら、やってそうだ。ドアノブを回してドアを引いいた。

店の中は何となくアジアンテイストな雰囲気。窓側の大きなテーブル席に腰を下ろす。雑貨とか置物とかテーブルの上に色々置いてあってカオスでる。白壁にかかっている黒板には今日のメニューがかかれていた。

☆スパイスチキンカレー 950円
☆レンズ豆と野菜のカレー 850円
☆あいがけ 1000円

なんというコスパだ。値段にお驚く。

「すみません。あいがけ大盛りで!」

ラブ&ピースな雰囲気を漂わせる店主? さんへ注文した。

5分ほどでカレーが運ばれてきた。皿の中央に南北に横たわるライスを分水嶺とし、東側にレンズ豆と野菜のカレー。西側にスパイスチキンカレーが盛られていつる。ライスの頂には、四角くカットされた大根のピクルスやニンジンのピクルスがのり、皿全体に華を添えている。

ではまず、レンズ豆と野菜カレーにスプーンを入れ、それを口へ運んだ。
なんか、知ってるかも。初めてなのにどこか懐かしい味が口の中を漂う。優しい舌触りと、まろやかな甘みが、疲れた心をホッとさせてくれる。想定外のやさしさだ。

続いて、スパイスチキンカレーの味をたしかめる。こっちは、見た目以上にシンプルな味。スパイスワークもあっさりとしている。と思っているところに、程よく炒められた玉ねぎのコクがやってきてチキンを引き立てる。「おっ! これは」というような、驚きはないが、よく計算されている印象を受ける。

そんなカレーを食べながら、視線をあげると目の前に本が並んでいた。『戦国の白』『民窯』『ミノタウロスの血』『こけの世界』。思わず吹き出しそうになる。なんとマニアックな選書。こけの世界って、あんた……。

お店の方の、選書になんともいえない魅力を感じつつ、カレーを堪能したのでありました。

ごちそうさまでした。

ガネーシュmの場所

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