アーンドラ・ダバのCセットは宇宙になった。

午前中、淡路町での打ち合わせが終わった。つぎは東京駅ちかくのクライアントと打ち合わせだ。ここからは、神田駅まであるいて山手線経由になる。この一帯は、カレー激戦区でもあり、強者のカレー屋がひしめきあう。さて、どうしようか? と、ふと心に浮かんだのがアーンドラ・ダバのバスマティーライスだった。よし、今日はあそこのCセットにして、バスマティライスをおかわりするんだ!

アーンドラ・ダバはJR神田駅から目と鼻の先にある。店舗が入っているビルの1階につくと、本日のカレーが書かれたボードが立っていた。

  • マトン・ナス(唐辛子マーク2)
  • マラバル・チキン(唐辛子マーク1)
  • ほうれん草・豆(MILD)

スタスタと2階へあがり、ドアを開けた。既にランチタイムになっているので、満席に近い状態だ。インド人らしきスタッフに一番奥の席を案内された。すぐに座れてホッとする。

【メニュー】

Aセット
カレー1種(マトン/チキン/野菜)、ナン or チャパティ or バトラ、ライス、サラダ、ラッシー 790円

Bセット
カレー2種(マトン/チキン/野菜)、ナン or チャパティ or バトラ、ライス、サラダ、ラッシー 950円

Cセット
カレー1種(マトン/チキン/野菜)、サンバル、ラッサム、ボリヤル、パパド、チャパティ、ライス、ピクルス、ラッシー 1250円

Cセットはほぼ全部盛り、かつバスマティライスのお替りが自由という究極のコスパ。私は席に着くと、すかさずCセットを注文した。この店で、これ以外の選択肢は考えられない。カレーは、マトン・なすと野菜を頼んだ。

カレーを待つ間、テーブルにあった『アーンドラ・ダバ、ランチのこだわり』を読み始めた。南インド料理は、野菜や豆などの素材の味を活かした味付けと、カレーリーフとスパイス使いが特徴らしい。ダバは食堂の意味とのことで、つまりは店名のアーンドラ・ダバとは、アーンドラ(地方)の食堂ということだ。

さて、そうこうしているうちにCセットがやってきた。左からサンバル、ラッサム、ポリヤル、野菜カレー、マトン・ナスカレーの順で並んでいる。

まずは、サンバル、ラッサムから一口ずつ味見をする。あー、これこれ。体が喜ぶ旨さだ。それから、それぞれのカレーを口へ運ぶ。声にならないため息がもれた。やっぱりきてよかった。一盛り目のバスマティーライスは、それの味を比べながら食べる。あっというまにライスがなくなった。ご飯のおかわりを頼む。2盛り目は、それぞれを、少しずつ混ぜて味のブレンドを感じながら楽しむ。そして混ぜ具合は段々と大胆になっていく。味の共演がクライマックスへと登りつめていき全てがカオスとなり、やがて一つの宇宙へと昇華してった。これこそ、ミールスの醍醐味。これこそアーンドラ・ダバで食べるCセットの醍醐味といえよう。

やがてプレートの中に広がっていた宇宙は、ブラッックホールに吸い込まれ無になった。店内の喧騒とは裏腹に、私の中に静寂が訪れていた。そこに、言葉は必要なかった。

店舗情報

【時間】
[月~金] 11:15~15:00(L.O.14:30) 、17:00~23:00(L.O.22:00)
[土・日・祝] 11:30~15:00(L.O.14:30)、 17:00~22:00(L.O.21:00)

【定休日】
年末年始

【住所】
東京都千代田区内神田1-15-12 第二斉木ビル 1F