メンタルタフネス

私の親父は、若かりしころ、
それなりのバレーボル選手だった。

まだ、私が小学生だった頃、
韓国と日本のバレーボールの
TV中継を見ていた時、
親父がこんなことを言った。

「韓国の人たちは、
普段から辛いものを食っているから、
粘りがあるんだ!」

韓国チームの、粘り強い戦い方を観て、
そのように言った親父に対し、
その時は、「へーなるほどね」、
と妙に納得していた。

確かに、サッカーにしろ、
バレーボールにしろ、
韓国チームの粘り強さというか、
メンタルのタフさみたいなものは、
国の特徴として、あるような気がする。
だから、おそらく、親父の頭の中では、

「キムチ」=「韓国」

「韓国」=「タフなメンタル」

故に

「キムチ」=「タフなメンタル」

という、勝手な三段論法が展開されて、
辛いものを食えば、メンタルが強くなるという、
おばあちゃんの知恵袋的なナレッジにまで、
昇華されていたに違いない。

それから、月日が過ぎ、私は大人になり、
多少、思慮分別もつくようになった。

私は、辛いものが好きで、よく食べる。
しかし、いっこうにメンタルがタフになる兆しはない。

だから親父よ、辛いものを沢山食ったからと言って、
メンタルはタフにはならないのだ。

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