東銀座の三原橋交差点からすぐのビルの1階にナイルレストランを見つけました。1949年開業の歴史あるレストランです。昔の喫茶店をカレー屋さんぽくアレンジした外装がレトロ感を醸し出しています。
今15:00を過ぎたところなので、席も空いていることでしょう。ドアを開けます。お客さんは女性の二人組だけでした。
突然「ムルギランチでいいっすか」と、しゃがれた大きな声で流暢な日本語が飛んできました。声の主は、店の奥にいたハンプティーダンプティーのような恰幅のいいインド人(多分)のおっちゃんです。どうやらメニューは拝ませていただけないようです。
「それってカレーですか?」とカレーを食べにきた私が一応聞き返します。
「カレーですよ」と、女性二人組が食べているものを指してハンプティーダンプティーが言いました。
店内の照明がやや暗いせいもあったのですが、その女性たちが食べているものは、カレーというよりはビリヤニのように見えます。エゴ(自我)が大丈夫かなと不安を感じています。どうしようか迷う時間もなく、私の口の方がじゃあそれでと返事を返してしまったので、言われるがままに流されてみることにしました。ちなみに、このおっちゃは入ってきた客全員に「定番のムルギランチでいいっすか」と、圧のある営業をしかけ100%のの確率でムルギランチのオーダーを取っていました。おそるべしです。
メニュー
- ムルギランチ(インド風鶏ランチ) 1,500円
- 海老カレーライス 1,400円
- マトンカレーライス 1,200円
- 卵カレーライス 1,200円
- キーマカレーライス 1,200円
- チキンカレーライス 1,200円
- 野菜カレーライス 1,200円
- ヨーグルトカレーライス 1,200円
楕円形の大きなメタルプレートにのって、ムルギランチがやってきました。おやおや? カレーを持ってきてくれた人が、ナイフとフォークでチキンの骨から肉を削いでくれています。ナイル流のパフォーマンスなのでしょうか?
プレートには、カレーとライス。それからキャベツやジャガイモを料理した副菜がのっています。それでは、早速スプーンを入れます。口の中に熟練したスパイスワークの香りが漂います。鶏肉は柔らかく煮込まれて、口に入れると肉の繊維がホロホロと崩れていきます。しかし、ライスは水分多めな炊き上がりで、個人的にカレーにはもっと硬めの炊き方の方が好みです。
「よく混ぜて食べると美味しくなる」と、あのしゃがれた大声でおじさんが言いました。教えてくれたことに礼をいって私はまた食べ始めました。
少しすると「よく混ぜて食べると美味しくなる」と、また話しかけてきました。まあ、一回言えばわかることです。食べ方まで何度も指図されると、エゴ(自我)が鬱陶しと感じ始め、若干イラっとしています。それに、言われたように食べないと相手に悪い気がしてくるし、食べづらいことこの上ありません。本人は良かれと思っていってくれているので悪気はないのはわかりますが。
ということで、混ぜて食べ始めます。まあ、正直混ぜても混ぜなくても美味しさは変わりません。このカレーは混ぜて味が変化するような2種盛り3種盛りとか、ミールスではないので、どっちでもいいというのが正直な感想です。個人的には混ぜない方が美味しいと思います。(ビシッ!)
それで、何がこの店の売りなのかというとこのおっちゃんです。私が食べている間もテイクアウトのカレーを買いに来た常連さんがいましたが、仲が良さそうでした。このやや高圧的な感じも親やすさの裏返しで、憎めない人柄はインド風雨寅さんなのです。そんな面白そうなおっちゃんに会いに、お客さんはやってくるのでしょう。
ごちそうさまでした!
ナイルレストラン 店舗情報
【営業時間】
[月・水~土]
11:30~21:30
[日・祝]
11:30~20:30
【定休日】
火曜日
【住所】
東京都中央区銀座4-10-7