ティルバンナーマライでの私たちの最初の宿は、Sathya Guest Houseです。ちなみにこの宿の名前をどうやって発音するのか現地へくるまでわからなかったのですが、サッジャ ゲストハウスと読むとのこと。読めませんて。なんだか1970年代の『バャリースオレンジ』のロゴを思い出します。今は、『バヤリースオレンジ』と表記されているので普通に読めますが、子供のころ、「バャ」の読み方がわからなくて(今も読めませんが)、ジュースの名前を言うことができませんでした。おそらく読めない人からの苦情が多くて「バヤ」に表記を変更したのではないでしょうか。
なぜ、このSathya Guest Houseを選んだのか? Booking.comでの朝食の評価がとてもよかったからです。インドへ来てからカレーしか食べてませんが、それでも朝食が待ち遠しくて仕方がありません。
翌朝ようやくお日様が地平線から顔をだした頃にベッドから這いだしました。ゲストハウスの屋上へ登って見ると、そこには素晴らしい景色が待っていました。日本では海に行くか高い山へ登るかしないと、視線と同じ高さに朝日を見ることはできませんが、田舎でひたすら平地のこのあたりでは、街並みの彼方にそれを見ることができます。
そして朝日に照らされて、傘雲をかぶっていたアルナーチャラも目を覚ましはじめました。旅にでも来ない限りこんな早起きはできません。インドは、日本との時差がー3.5時間なので、こちらが朝の6時だと日本はすでに9時半です。だから、正確に言うと早起きと言うよりは、ただの時差ボケです。しかも日本なら寝坊している時間であります……。
そんな、素敵な朝の瞬間を堪能した後、お腹も空いて来たのでSathya Guest Houseが運営しているSathya’s Cafe に降りていきました。
できたてほやほやのイドリー、ワダ、プーリーが運ばれてきました。そしてサンバル、ダル、ココナッツ系カレーが並びます。システムがよくわからなかったのですが、どうやら朝食はブッフェスタイルらしく、好きなだけ食べていいようです。
食欲全開のエゴ(自我)を抑えきれず全種類を鉄のプレートにのせ、食べてはおかわり、食べてはおかわりと、自席と料理の乗っているカウンターを往復します。料理は全てがシンプルで優しい味。インドへきたら相当辛い料理が出てくることを警戒していましたが、これまでのところ一般的な日本のカレーの辛さとあまり変わらず、肩透かしをくらった感じがしています。
それにしても、ワダが旨い。カリッと揚がった外側としっとりした内側の緩急のある食感がたまりません。日本で結構レアキャラなので頻繁に食べることはありませんが、間違いなくこれまで食べたワダの中で最高の味です。
カレーたちも、南インドのお袋の味付けというのでしょうか、素朴で温かみのあるスパイス仕上げになっています。毎日毎日繰り返される朝ごはん。そこには気負いも飾り気もありません。自分たちが食べているも料理を、いつものように作って客に提供するだけ。そんな、インドの日常を体験できる素敵な朝食でした。