NANDI (ナンディー)のポークビンダルは、海のように深かった。

久々の広島出張。今日も一日が終った。広島電鉄の路面電車を中電前駅でおりた私は、大通りから裏通りへと続く暗い路地を歩いていく。

角を曲がると店の明かりが見えた。19:00を過ぎてしまったが、開いていている。よかった。旨いスパイスカレー屋というのは、ランチで売り切れ御免のところが多い。そんな中で、夜も営業してくれているところが素敵だ。素敵過ぎる。

入り口でメニューを見ると、季節限定のポークビンダルが目に止まった! この疲れた身体にど真ん中のメニューだった。あの酸味を味わえると思うと、生唾が出てくる。入り口を入った。店内は手作り感のあるカフェとい印象だ。アンティークなカウンターがいい雰囲気を出している。

【メニュー】

ふゆのビンダルー 850円

チキンカレー 700円

ナンディーカレー 800円

野菜カレー 850円

キーマカレー 850円

バターチキン 900円

「すみません、ふゆのビンダルーで」と注文。今晩は店長1人で切り盛りしているようだ。

ボールにカレー、皿にライスとキャベツの副菜というコンビでポークビンダルがやってきた。まずは一口。

くーーーぅ。染み渡る酸味と、次にやってくる深い深い苦味。このスパイスの深さはナンディーオリジナルだ。辛さはそれほどでもなく、じんわりじんわりと。それから、じっくり煮込まれた豚肩ロースの柔らかさも半端ない。うーん、ナンディーさんのスパイスワーク好きだわ。大盛りにすればよかったと、悔やみつつ、最後の一滴までスプーンで掻きあつめる。

久々の、ナンディーの味は海のように深かった。広島へ来たらナンディーのカレーを外してはいけない。

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