FISHの白身魚カレーに感動

インドカレーの『FISH』を探しながら通りを歩いていた。近隣に複数カレー店があるようで、それらの看板に惑わされながら、やっとFISHが入る雑居ビルを見つけることができた。しかし、この店が入る2階にもカレー屋があって、そこもランチでカレーを出しているのだと思いきや、実はファヒータというメキシコ料理店。なぜあえてカレー? という紛らわしい状況なのであった。あやうくファヒータに入りそうになりながら、FISHの扉をあけた。

聞くところによると、この店は以前六本木にあり30年愛され続けてきたとか。その店のオーナーが年齢的に店を続けるのが難しくなり、惜しまれながら2017年に閉店した。その看板と味、そしてインド人料理長を、新しいオーナーが引き継ぐ形でオープンさせたのが、ここ新宿店というわけだ。

店に入ると、レイ・チャールズのジョージ オン マイ マインドが、私を迎えてくれた。思ったほど混んでなく、すぐに窓際のカウンター席につくことができた。ライトグリーンの壁は、ブラインドを通して入ってきた、冬の午後の長い日差しを受け止め、優しく反射していた。

メーニューは、キーマ、チキン、ポーク、白身魚、シュリンプのカレーがあり、なぜかカツカレーなんてメニューまであった。2種類のカレーもあり白身魚&キーマカレーの組み合わせを、大盛りで頼んだ。

アバのダンシング・クイーンが流れ出した頃、注文したカレーがやってきた。結構な大盛りだ。これは普通盛りでよかったかなと、少し後悔するほどだった。白身魚のカレーには、あげた白身魚がたっぷりと入っている。その乳白色に近いカレーは、玉ねぎの甘みとクリームの滑らかさで、一瞬、あれ? これカレー? と思う程、従来のカレーのイメージから離れている。魚の臭みはなく、料理としての完成度の高さを伺える一品だ。一方、キーマカレーは、スパイスの香味がよく効いていて香り良い。そこに鶏肉の旨味と辛さが程よくマッチして、これまた秀逸な味にしあがっている。

この空間の中で、このカレーを食べていると、自分が今どこにいるのかわからなくなってくる。久々のトリップカレーだ。ごちそうさまでした。

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